2019.07.19

ブロックチェーンによるセキュアな監査証跡

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ビットコインによって知名度が上がったブロックチェーンは、分散台帳型の技術として、改ざんできない暗号化されたセキュリティレベルの高い仕組みということで注目を浴びています。

ブロックチェーンによるセキュアな監査証跡
近い将来ブロックチェーンは、ロボット操作の監査証跡を残すため業務自働化にとって必須の技術になるかもしれません。
その理由は、自動的に操作ログを改ざんできない仕組みが構築できるからです。
ロボットを不正操作する悪者は、きっとその操作履歴のログも改ざんを試みるでしょう。RPAが促進され、ソフトウェアロボットが今後ますます増えていくと、それを管理する負荷も増大します。出力されたログの信憑性が薄ければ、インシデントに対する原因究明ができなくなり、自動化リスクが増大してしまいます。
だからこそ、ブロックチェーンのように、誰にも改ざんできないログを自動的に生成できる仕組みが必要なのですが、ブロックチェーンといえば、まだ仮想通貨のイメージが強くパブリックな運用を考えれば、ビットコインのマイニングのようにブロックチェーンの承認を不特定多数の人達にお願いするには、それなりのインセンティブが必要になるし、電力コストも増大するため、一般企業には向かない印象があります。

この問題は、企業で使用するには、完全な中央集権的な管理を否定してしまうのではなく、プライベートなネットワーク環境内で分散台帳として承認できるような仕組みが現実的です。
また、ICO で有名になったEthereum(イーサリアム)の技術を利用するケースが多いため仮想通貨のトークンが必要だと思われがちですが、たとえば「Hyperledger Fabric」というオープンソースのブロックチェーンのプラットフォームは、すでにIBM 社などが中心となって多くの企業で使用されており、仮想通貨のようなトークンが必要ありません。そのため、業務での使用が可能かどうかを低コストで試すことができるので、ビジネスでの広がりが期待できます。
ここで重要なのは、こうしたオープンソースのフレームワークなどを活用すれば、ブロックチェーンを作るのは高度な専門知識が必要ですが、ブロックチェーンを業務に組み込むことは、比較的ハードルが低く実現可能だということです。

もちろん、開発は必要なのですが、近い将来事例が増えて行けばRPAツールのように、簡単に構築できる仕組みも整ってくるだろうと予想されます。
今後は、ロボットの開発時から、改ざんできないログを生成する仕組みも考慮して制作する必要があるでしょう。


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