BPRを成功に導くシミュレーション


業務プロセス改革を実現するのは、決して容易ではありません。限られたリソースと時間の中で、業務変革を達成するには少々周りくどく感じても、As-IsとTo-Beを事前に机上で比較するシミュレーションを徹底的に行なうことが成功のカギです。そのためにも、時間に追われ結局こんなはずではという残念な結果に終わらないよう、開発スケジュールを見積る段階から、シミュレーションを実施する期間をスケジュールに組み込み、余裕を持って開発を進めることが望ましいです。

BPRシミュレーションでは、現状(As-Is)をあるべき姿(To-Be)へ導くための改善施策として検討したシナリオを、最適なものになるよう仮説を立て繰り返し検証します。具体的には、業務プロセスについてあるべき姿として想定したシナリオに対して、リソースの量や使用時間などを仮定して複数種類の設定を行い、定量比較などできるだけ可視化できる形でシミュレーションします。

このためには、現状プロセスのフローチャートと 改善後プロセスのフローチャートが必要です。 その業務フローをもとに、各プロセスで必要なリソース量と処理時間、稼働率などの情報から、ある程度の数値による効果の比較が可能になります。この時、人件費や設備費など稼働に際しての保守・運用などの維持コストや、待ち時間や環境に依存しそうな要因を加味してシミュレーションを行えば、より現実的な比較が行えます。
こうしたシミュレーションについても、関係者が理解し易い形でビジュアル化し、修正し易い方法で、フローチャートや、定量比較のグラフをエクセルなどの形式で作成できる方法が効果的です。想定していなかった要因が影響しそうかどうかは、開発担当のみならず。業務や運用の担当者などが具体的に新しいプロセスをイメージできないと、どのような事象を考慮すべきかも見えてきません。

シミュレーションのノウハウも、社内の知識ベースにあるとよいのですが、BPR成功には専門家による知見も有効なため、外部コンサルに頼ったり、ツールを活用するのも有効な手段です。それは、規模や予算に依存する場合が大きいので、トータルなコストメリットの比較によって、シミュレーション方法も選択すべきです。シミュレーションの仕組みを作ってしまえば、BPR実施後の効果算定にも大いに役立ち、業務改善の目標達成ができたかどうかが数値的に明確に分かるようになります。


シミュレーションは、仮説シナリオの繰り返し検証


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