業務を視覚化するビジネスプロセスモデリング


業務改善のためにビジネスとしての業務プロセスの具体的内容を他の人に伝えようとすると、言葉や文章だけではとても困難を極めます。かといって独自にイメージ図を作成しまっては、何かルールを持って伝えないと、絵心のあるなしや、見た人の読解力によって業務の流れを誤解してしまったり、理解の欠落が起こったりしてしまいます。

そうしたリスクを回避するためにも、そして関係者で業務内容を可視化して共通認識をするためにも、プロセスをある規則に従い図形を使って表現する方法としてビジネスプロセスモデリングがあります。これは、フローチャートや、PERT図などビジネスの形をドキュメント化する手法を経て、ソフトウェア開発に有効なビジネスプロセスモデリングが形成されてい来て、その代表的なものとして、BPMN 2.0があります。
BPMN 2.0は、BPMN(Business Process Modeling Notation)規格のバージョン 2.0 を指し、ビジネス プロセスを記述するための、一連の図表作成規則に関する標準化を定義したもので、従来のフローチャートを機能拡張した標準的な図表作成の表記法と方法論です。BPMNは、統一モデリング言語(UML)と同様に、IT関連世界標準の推進団体であるOMG (Object Management Group)によってサポートされています。
BPMNは、よくUMLと比較されますが、UMLはアプリケーションのオブジェクト指向の分析設計に向けて記法の統一を目的にしたモデリング言語ですが、BPMNはシステムのモデリングに対してプロセス指向のアプローチを採っています。

業務プロセス改革においても、業務の可視化の手法として、BPMN 2.0のような業界標準の手法によって進めていた方が、可視化のノウハウも集積されており、関係者の多くが理解しやすい結果が得られます。加えて、システム開発において、企画段階と実行段階での比較もし易いため、 what-if分析などを活用したシミュレーションにも有効な手段となり得ます。
そうなると、作図ツール選びの段階で、BPMN 2.0のような標準的な手法で業務プロセスを視覚化できるものを選べば、全社で使用するように広がったとしても、とても効率よく見やすくサポートし易いドキュメントを作成することが可能になります。
その中でも、BPMN 2.0に準拠した図形が作図できる機能はもちろん必要ですが、加えてBPMNの図表作成規則と制限について、規則違反に関する警告や自動修正のような機能があると便利です。容易に描画できるツールは、自由度がある反面作成ルールから外れて作成してしまう可能性も高くなります。よって、自動的にエラーを判別できる機能は、作図効率を上げるばかりでなく、ドキュメントの品質を高めることになります。

業務プロセス改革をきっかけに、業務フロー図の標準化についても注目してみては如何でしょうか?


ビジネスプロセスモデリングは、業務プロセス改革に有効な手段


BPR, BPMN