RPAが不要になる自動化の未来


人が行ってきた作業にコンピュータを活用しはじめてから、業務のシステム化は、業務を効率的に処理するために常にどれだけ自動化できるかという改善をすることによって進化してきました。

情報をデジタル化することにより、様々なデータをコンピュータで処理することができ、人間が計算していてはとてつもなく時間がかかる作業も一瞬で終わらせるくらい高速化も実現できました。 たとえば、かつて紙の帳簿に記帳して電卓で集計していた収支報告も、コンピュータが処理し易いように、キーボードから数字を入力して、最初からデジタルデータをインプットできるようにしたことで、会計システムが自動的にレポートを作成してくれます。そのキーボードやマウスを使って、データ入力する人の作業を代わりに自動的に行なってくれるのがソフトウェアロボットのRPAです。

ここで、よく考えてみると、この場合RPAが活躍するためには、入力したい情報はすでにデジタルデータである必要があります。RPAも結局ソフトウエアなので、アナログ情報だとそのまま処理することは無理です。たとえば、手書きされた売上データや、FAX送信されてきた売上日報など、一度OCRによってデジタルデータにすれば、RPAによって、さもキーボードを使って入力したかのような画面操作が可能です。しかしながら、これは一歩下がって俯瞰して見ればわかりますが、わざわざキーボードやマウスを動かさなくても、デジタルデータを、会計システムへそのまま渡すことができればその方が誤作動も少なく処理も早いです。世の中には、そのために多くのアプリケーションにはAPIが用意されていて、それにデータを加工して渡すのに、わざわざプログラムを作成しなくても自動でデータ連携をするETLツールなどが存在します。

こうしてみると、これからRPAを検討する場合、現状の業務フローのままソフトウェアロボットに人のPC操作を代行させるのか、それとも、人の手の操作の介入を前提としない業務フローに変更してしまうのかを検討することが重要です。
手も触れず顔認証だけでスーパーの商品を購入できてしまうシステムが登場して久しいですが、レジ打ちの人が、バーコードをかざすだけの入力になり、AIとカメラセンサーの発達で、レジ打ちの人さえ不要になりつつあります。会社で行う業務処理も、そもそもデータの受け渡しに人が必要なのかを追求していけば、圧倒的な業務効率化が実現できるかもしれません。

社内でのIT機器の運用負荷を考慮してクラウドサービスなどへの移行が加速していますが、クラウドで提供されるアプリケーションはほとんどがAPIを提供しています。たとえば、領収書などもスマホで写真を撮るだけで、クラウドのシステムへ登録できる時代です。PCでのデータ入力は要らない業務フローを前提に考えていくことにより、これからわざわざRPAを構築しなくても良い時代が来るのではないでしょうか?


技術進化により、手作業が不要の業務改革が進む


RPA, AI