AIが作成するプログラムソースコード


もしも、自分の言葉で表現したものがそのままプログラムになったら、誰でも簡単にコンピュータを思い通り動かせるようになるでしょう。そんな話は夢のような事だと思っていたら、近年既にある程度実現できるようになってきてしまいました。

たとえば、AI Programmerというサービスは、Webブラウザ上で、プログラミング言語を選択し、日本語で処理内容を入力するだけで、ボタンクリックによってコードを生成し、そのWebページに表示してくれます。
驚くべきは、そのシンプルさと、豊富な言語を選択できる広範囲で高度な機能です。Pythonや、PHP、Ruby、JavaScriptなどの主要言語はもちろん、SQLやHTML&CSS、正規表現まで選べ、比較的ストレスなしに素早く変換が可能です。
現段階では、その言語の特性を知っている人でないと何をどのような言葉で指示すればよいのかわからないので、素人では面食らってしまいそうですが、かなり複雑な日本語文章でも比較的正しくコードに変換してくれるため、正直驚きが隠せません。このまま行けば、プログラミングの知識がなくても、誰もがコンピュータに直接言葉で指示ができるような時代になってしまうのでしょう。

従来プログラムコードのジェネレータは、規定のフォーマットが用意され、特定の言語の単一的な機能のツールが多かったのですが、自然言語から汎用的な多種多様のプログラムコードへの変換が一般的になってきたのはとても喜ばしいことです。これは、クラウドサービスとして既に普及しているAIで自然言語処理ができる翻訳ツールに似ています。Web上で使用できる翻訳サービスは、多言語を選択できます。よって、プログラムコードの変換ツールも、AIによる翻訳技術の応用で、別に日本語に限らず、基本はどの国の言葉でも処理ができてしまいそうです。事実、SourceAIのデモ動画では、英語でも日本語からの指示でもソースコード変換を行えています。Google翻訳はじめ、DeepL翻訳など、多くの翻訳サービスは多言語に対応しており、こうした翻訳サービスは、入力方法もテキストのみならず、PDFやWord文書などを指定でき、且つ、翻訳元になる言語と、翻訳後の言語を逆にすることも可能なため、プログラミング言語の場合も、過去のソースコードのファイルをインプットにして、日本語の解説文に変換してそのソースプログラムの仕様書を作成することが近い将来可能になるのでしょう。もちろん、すでに同様な機能のツールは存在しておりますが、より自然言語に近い対応ができていることが特に注目される理由です。

こうした動きは、GPT-3が、Microsoft Azure上でAPIとして利用できるようになったことも大きく影響しているようです。GPT-2の後継であるGPT-3は、OpenAIが2020年7月に発表した高性能な言語モデルの自動文章生成ツールことで、マイクロソフトは、ローコード開発ツールのMicrosoft Power AppsにGPT-3を活用することで、普段使用している言葉からプログラミングコードを自動的に生成する機能の提供を公表しています。
こうなると、コーディングレベルはAIに任せて、プログラム開発はどのようなアプリを作成するのかその設計やデザインの方がますます重要視されるようになっていくでしょう。


自然言語からプログラミング言語への変換は、当たり前の時代へ


ローコード開発, AI