2020.02.21

AIブームの歴史

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AIは、長いコンピュータの歴史とともに、何度かのブームがありその時代に合わせ発展してきました。

AIブームの歴史
第一次AIブームは、artificial intelligenceという言葉が、人間と同じような知能を持つ機械について議論するため1956年に米国のダートマス大学で開催された「ダートマス会議」の提案書に、はじめて使用されたことがきっかけといわれています。
このブームは、1960年代まで続いたようですが、この時代に開発されたプログラムは、ルールやゴールが決められているチェスや迷路のようなゲームにおいての「推論や探索」が中心でした。
これは、一見知能のように感じられ好評だったのですが、ゴールが決まっていることが前提として必要となるなど適用範囲が限定的であり、期待されたニューラルネットワークのパーセプトロンのアルゴリズムの限界が見えてきたこともあり、ブームが去ってしまったようです。

第二次AIブームは、もう少し現実的な問題を解けるように、専門家の知識をコンピュータに覚えこませることによって、より複雑な問題を人工知能に解かせようとした「エキスパートシステム」の時代です。
ゲームだけでなく、実際のビジネスでも活躍する分野が増えました。
但し、これは知識ベースを使って推論を行うルールベースのプログラムが中心であったため、結局、第一次ブームの時と同様、AIは限られた枠組みの中でしか有用でないという「フレーム問題」は、解消できませんでした。すべての専門知識やノウハウを網羅的にAIに教え込むのは困難であるため、複雑な問題や、例外がある場合などうまく対処できなかったようです。

第三次AIブームは、2000年代に入ってからコンピュータの小型化・高速化が進み、以前はCPUの処理能力が足らず進まなかった人間の脳神経回路を模した「ニューラルネットワーク」のAIが発達します。
2006年には、機械学習の中でも「ディープラーニング」の実用方法が登場し、2016年には、囲碁に特化したAIを搭載した「AlphaGo」が、人間のプロ棋士に勝利して、一気にブームが加速しました。ビッグデータを活用したディープラーニングが流行する中、教師なし学習が可能な「GAN(敵対的生成ネットワーク)」等が活用されるようになり、画像処理などでAIが適用できる分野が広がりました。

強いAIである汎用人工知能のAGIの誕生はまだ先であるため、フレーム問題が解消されたわけではありませんが、特化した分野においては、AIは、ビジネス界のみならず社会全体で大いに貢献しています。


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