2019.10.29

ハクティビストによる攻撃の減少

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政治的、社会的な主張を目的としたサイバー犯罪を行う「ハクティビスト」による攻撃は、年々減少を続けピーク時の1割以下になったと言われています。

ハクティビストによる攻撃の減少
ハクティビストとして特に有名なアノニマス(anonymous)は、世界にまたがって存在する集団で、ダークヒーローをイメージする「ガイ・フォークスの仮面」によって不気味な存在ですが、彼らが行ってきた数々の攻撃には、世の中の不条理に対して我々に代わってお仕置きを与えてくれるような爽快感もあり、単なる悪人の集まりというよりは世間の集団心理が行動として現れたものという見方もできます。

日本も標的になっており、イルカ漁を容認する日本に対し、関連する企業や政府機関、村役場に至るまで数多くのDDos攻撃を受けました。また、違法ダウンロード罰則化を織り込む改正著作権法に関しては、日本の政府機関や関係団体などに対し宣戦布告し、中には、国土交通省「霞ヶ浦河川事務所」のサイトを改ざんし、「霞ヶ関」と「霞ヶ浦」を間違えたのではと思われる誤爆の謝罪ツィートも話題になりました。
他にも、麻薬組織や、北朝鮮のミサイルへの対抗など、場合によっては応援したくなるような攻撃も行っています。
但し、2016年以降は、司法当局の取り締まりが厳しくなったこともあり、また政治色の強いキャンペーンに関与しはじめたことでグループの結束も弱くなり、かつては数千人といわれた組織人口もかなり減ってしまったようです。
アノニマスは、攻撃によって盗み出した情報をサイトに公開したり、WikiLeaksに渡したりしたようですが、そもそもアノニマスを騙るフェィクも多く存在するためデータの信憑性が疑問視されるものもあり、ネットでの見せしめ公開処刑のような効果を発揮できないものも多かったようです。
アノニマスになる人の中には、政治的思想などの動機がなく、ただカッコいいからということで参加しているケースもあるようで、日本でも自宅パソコンにコンピュータウイルスを保管していて書類送検された高校生は、自分がアノニマスだったと供述し、国内外のハッカーと交信して、ハッキングの予行演習までしていたことが、過去にニュースになりました。

社会正義を自覚すると、江戸の悪徳商人から盗みをはたらく「鼠小僧の」になった気分で、自分自身が悪事を侵している意識が薄らいでしまうのでしょうか?
いずれにせよ、ネット犯罪はよくないことなので、アノニマスの助けがいらない世界を熱望します。


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