プロセス改善における属人化問題の解消方法


BPRを推進する上で改善すべき課題のひとつに、業務の属人化の問題があります。
業務の属人化とは、ある人が特定の業務を担当し、その業務に関する知識や経験がその人に集約されてしまう状態を指し、このような属人化が進んでしまうと、システムの保守や開発にも影響し、システムの品質や生産性が低下する恐れがあります。

DXBPRを実践する際には、こうした属人化の問題を解消する方法を理解して進めることが大切です。
属人化の問題解決には、ドキュメント管理ツールなどを導入し、業務に関する知識や経験を共有するための仕組みを構築することによって、情報の散逸を防ぐことができます。そして、業務の手順や規定を明確化し、個人任せにせず知識や経験をチーム全体で共有したり、特定の人が担当している業務は複数人に分担するなどの方法が有効です。
また、業務システムの手順や規定をドキュメント化して、教育・トレーニングを実施することで人材育成にも力を入れることが効果が見込めます。
そして、ITモダナイゼーションによって、業務の効率化、近代化、高度化を実施することで業務の属人化問題を解消できるはずです。

それゆえ、業務プロセス改善の観点から属人化解消のための主なポイントを整理すると、以下になります。

1.業務プロセスの可視化
ツールなどを活用して業務フローを作成し、業務プロセスを可視化することにより、業務の流れを把握することができ、業務プロセスに関する情報を共有しやすくなります。

2.業務プロセスの標準化
組織内で実施される業務プロセスを一定の基準やルールに従って統一し、効率的かつ品質の高い業務の実行を可能にするための業務プロセスの標準化により、業務の透明性が高まります。

3.業務プロセスの自動化
RPAなどを導入して、業務プロセスを自動化することができれば、業務担当変更の際に経験が少ない人でも処理できるようになり、業務プロセスの変更も容易になります。

4.業務プロセスの継続的改善
業務プロセスの標準化と自動化について業務運用後も継続的に改善を実施することによって、業務の効率化と品質向上を高めることができます。

これらのポイントを踏まえDXBPRを進めることによって、業務の属人化問題は、新システムが稼働した後には、かなり解消できている期待が高まります。
但し、当然ながら業務のプロセス改善は、組織全体で取り組むべきであり、関連部署やチームメンバーとのコミュニケーションを図りながら、組織の状況に応じて適切にカスタマイズして、改善を進めることが重要となります。


業務プロセス の可視化、自動化、標準化が重要


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