2019.12.19

人事とソフトウェアロボット

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RPAでソフトウェアロボットが量産されると、ロボットに対してもITガバナンスが求められます。

人事とソフトウェアロボット
ロボットには、業務として行っていた担当者の作業を代行してもらうため、会社で取り扱っているデータへのアクセス権が必要です。つまり、ファイルサーバにあるファイルやDBなどを、読み取りだけ許可するのか、書き込みまで許可するのかといった指定です。通常、こうした権限は、Active Directoryなどの管理ツールに設定するわけですが、そうなるとそのロボット専用にID、パスワードを設けた方が、管理し易くなります。安易に業務担当者と同じIDや、共有IDを使用して、ロボットを動かしていると、どのロボットが何をしたのか分からなくなり危険です。

また、いくらロボットが自動だからといっても、何かトラブルになった時など、操作したり、責任を持って対処する人が必要です。こうして考えると、ロボットも組織に組み入れ、人を採用する場合と同様な管理をする方が、運用もし易くしっかりとした管理体制となります。
ここまでくると、ロボットも社員と同様に、人事部で管理するのが良いのでは?という議論になります。
今後、繰り返し作業のルーチンワークは、どんどんソフトウェアロボットが担当することになるでしょう。そればかりか、RPAのロボットにAIが搭載されてきたので、経験にもとずくベテランに頼ってきた業務でさえ、過去を学習済みのAIにとって代わられるようになってきました。事実、既に大手企業の中には、新卒採用のエントリーシートの審査はAIが判断していたり、履歴書や採用試験の結果をもとに、合否判定をAIに任せたりして、処理効率を上げている会社もあります。
HRテックという言葉が流行ってきていますが、出勤時のタイムカード代わりに顔認証で行い、その際笑顔をAIで判定して、社員のモチベーションを高めている会社もあります。もちろん、採用活動の自動化支援や、人事考課や人事異動の適正判定など多くの部分でAIRPAが活躍し始めています。そうなると人事部まで不要になってしまうのでは?と不安視する声が上がるくらいなのですが、これは否定的にとらえず、ロボットを同じ仲間の一人として共存する方法を考えた方がよさそうです。

ソフトウェアロボットが、どんどん賢くなると、そのうち人事部長はロボットがあたりまえなんて時代になるかもれません。各部署でも、AIが賢すぎるのにロボットと出世競争になると勝てる気がしません。せめて、ロボット派閥から、目をつけられないように仲良くしておく必要がありそうです。


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