2020.01.08

労働は美徳という幻想

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RPAでの業務改善を推し進める場合、意外と足を引っ張るのが効率化への社内の抵抗です。

労働は美徳という幻想
「労働は美徳」という言葉が効率化の足かせになっている場合があり、まず関係者全員の意識改革が必要です。
ロボットに仕事を任せてしまったら、自分がサボっているように見られるのではないか?とか、会社に来て机の前に座っていないと上司からの評価が下がるのではないか?など、今までの労働スタイルから変化することに対して、対応できない抵抗が少なからずあります。

今までの業務作業が、その担当者や上司の既得権益的なものになってしまって属人化されている場合は尚更です。ロボットによって、他の人でも扱えるように効率化されてしまうと、自分の立場を危うくするのではないかと反対します。ロボットに仕事を取られるのでは?と、心配している人は、労働に対するマインドを変えなければいけません。
労働は美徳という考えは、高度成長時代の成功体験として、上司がそのような雰囲気にさせている場合もあります。上司が会社に残っていると先に帰りづらいと感じるようであれば、マネジメントサイドから、労働時間の長さや、頑張ったことそれ自体にはあまり価値がないことを認識し直す必要があります。
これは、決して「労働は尊い」という考えを否定するものではなく、労働の目的は価値を創造するこで、長時間会社にいて時間を費やすことが目的ではないということです。肉体的な苦労より、価値を生み出すことが大切なのです。
この本質が、関係者全員の認識として共有できれば、RPA でロボット化するときに、既存より斬新な方法で業務を改革し効率を上げることが可能になるでしょう。
未だにアルバイトを雇って、寒い中交通量の調査をしている光景が見られますが、IPカメラを設置し、AI でカウントすれば、あっという間に集計できるだけでなく、もっと価値のある分析も可能になります。このような例は企業でもたくさん見つ かります。パソコンの苦手な年長者のために紙でコピーして回覧していたり、営業日報や交通費精算のためにわざわざ会社へ戻ってきたり、同じデータをグラフ化のために複数回コピーしたりと、無駄に思えることはありませんか?

忙しいが口癖でいつも残業が多い方は、努力は大切だけれど、努力の量が成果に比例するとは限らないという考え方で、仕事のできる人が勘違いし易い自分が全部やらなくてはという考えから抜け出し、ロボットなどを最大限活用し、労働を減らす仕組みづくりをする思考が大切です。


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