2020.01.17

アナロジーとAI

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AI時代になると、ロボットに人間の仕事が奪われるという話がどうしても気になります。

アナロジーとAI
学校で成績の良かったエリートの人達の多くは、膨大な知識量だったり、他の人より記憶力が優れていたり、頭の回転がとても速かったりと、とにかくロジカルな思考ができる人達が多いです。それは、今の学校教育の制度が、そうした人達を育て上げ、試験によって成績が優秀な人ほど、有能な人材だと世間で評価してきたからです。
しかしながら、そうした膨大な記憶や、処理速度の速さは、コンピュータの得意とするところで、AIが発達した現代ではロジカルな思考は、むしろロボットに一番置き換え易いです。

AIはクリエィティブな仕事が苦手だからとよく言われますが、芸術や音楽の分野でも活躍し始めています。
そうなると、企業に勤める人達は、どんな仕事をすればよいでしょうか?
AIによって、機械化され人間が不要になっていく分野が増えていくのであれば、その分、人間が楽になることは嬉しいですが、ロボットの管理だけではつまらないし、せっかく時間的余裕が生まれたのなら、新たな業務を創造し、拡大していきたいはずです。経営者の方針にもよりますが、ロボットの方が優秀だから人間の担当者は要らないよ、なんて言われては困ってしまいます。
そうした中で、新しい仕事を創造するためにも注目を集めているのが、アナロジー思考です。アナロジーとは、類推などを意味しますが、AIが得意なロジカルな思考パターンとは違い、抽象的な視点で、まったく別の分野の物事を、解決したい課題がある分野に当てはめて、似ている部分をもとに応用し具体化します。
これにより、まったく違った業界で取り入れられているようなノウハウが、ターゲットとしている業務でも有効な戦術として使用できたりします。そうしたことで、今までにないまったく新しい発想で業務を創造し、事業拡大が見込めるかもしれません。
ロジカルシンキングが垂直思考なのに対し、アナロジーは水平思考の考えになります。

よく先進的企業は、リフレッシュルームが充実していたり、服装や勤務体系が自由だったりしますが、シェアリングオフィスなども利用して自社の業種の専門バカにならず、遊びや規則など固定観念に縛られない雰囲気を社内にも作ることにより、こうしたアナロジー思考がしやすい環境を生み出せているのかもしれません。
私たちは、今後意識してアナロジー思考を訓練する必要がありそうです。


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