業務フローチャートの役割


業務システムを変更し、業務改善を行うためには、まず現状把握をし、改善すべき問題点の洗い出しが必要です。その際に役立ち、とても重要になるのが業務フローチャートです。

業務フローチャートの書き方は、業界や使用目的によって様々な種類がありますが、記述方法などはそれぞれの企業で最適なものを選べばよいのであって、大切なことは、業務改善を実施する関係者全員が、業務フローチャートの役割について共通認識を持つことです。慣例として作成していたり、意味もわからず引き継いでしまっていたりで受け身的にフローチャートの作成を行っていたのでは、業務フローチャートがなぜ必要なのか理解できず、それでは業務改善に対し、主体的に取り組むことができません。


業務フローチャートの主な役割

  1. 業務の流れの視える化
    ・業務の全体の流れを図にして可視化するために使用する。

  2. 業務プロセスの把握
    ・業務のプロセスについて、誰がいつ、何をどのように実施しているかなど詳細を把握するために使用する。

  3. 業務マニュアルの補完
    ・業務フローのドキュメントマニュアルを図を使って分かり易くするために使用する。

  4. 業務の問題点の把握
    ・業務のフローに起因する業務に関する問題点の洗い出しに使用する。

  5. 障害時の原因分析
    ・業務システムが異常終了したときなど、業務フローから分析する場合に使用する。

  6. 問題点の共有
    ・関係者が分かり易い形で業務フローの問題点を共有できる。

  7. 業務改善の前後比較
    ・業務フローにより、業務改善前と後の比較する場合に使用する。

業務フローチャートを各業務で標準化して作成しておくことは、BPRを推進する上でとても有効です。但し、それが現在の業務フローに合わせてアップデートされている必要があります。
業務によって、フローチャートの書き方が違っていたり、フローチャートがあったりなかったりしていては、業務によってその業務の理解度に差が出るため、BPRの進行の妨げになります。
そうした場合、フローチャート作成支援ツールを使って、会社として統一して標準化したり、あるいは、頻繁に変更がありそうな業務システムでは、アプリケーションを解析して毎日自動的にフローチャートを生成できるツールなどを採用することも有効な手段です。
業務の規模によっては、維持に必要なトータルな運用コストを考えれば、ツールを使って業務フローチャートを作成した方が効率的でメリットも多いです。
フローチャートをエクセルなどの汎用ツールで作成している例もありますが、フローチャート専用ツールを使用した場合の方が、テンプレートがしっかりして、柔軟で簡単に作図できるものが多いため、フローに変更があった場合など特に効果を実感できます。

業務フローのドキュメントをどの程度作成するかはもちろん業務によりますが、現実的なのは、専用ツールを使用して、マニュアルに代わるテキストでの説明をリンクできるように業務フローチャートを作成し、業務フローに変更があるたびに必ず関連するドキュメントも修正する仕組みを構築しておきます。そうすれば、BPRのための業務プロセスの可視化ができ、BPR実施後にフローのどこが変更になったかが一目瞭然になります。
つまり、BPRを実践するためにも、しっかりした業務フローチャートを作成することが、その成功の要となる重要な要素であるといえます。


良質な業務フローチャートが、BPR成功のための要となる


BPR