JavaScriptのモダンなWeb開発という選択


従来Webのフロントエンド開発に使用されてきたJavaScriptは、今やNode.jsなどによりサーバサイドでの開発にも取り入れられるようになり、Webアプリケーションの制作の場でいっそう活躍するようになってきました。これにより、DXを見据えたWeb開発にも、今後バックエンド開発まで含めてJavaScriptで統一していくという選択肢が増えたことになります。

ご存知の通り、JavaScriptとJavaは、名前こそ似ていますが全く別物です。オブジェクト志向のプログラミング言語であるJavaScriptは、かつて一世風靡したWebブラウザで同じ開発元のNetscape Navigatorに実装されたことから、主にWebページで動きをつけるためHTMLやCSSを操作できるスクリプト言語として世界中で使用されています。jQueryなどのJavaScriptのライブラリの普及により、比較的簡単にプログラミングを行えることも要因で、フロントエンドのWeb開発言語として多くのWebサイトで使用されています。そして、近年Node.jsが普及してきたことによって、サーバサイドの開発も、同じJavaScriptの構文が使えるメリットにより、大量データをを扱うサーバ処理を行うようなアプリ開発にも使用できることから、PythonやRubyを抜いてWebサービスの開発で使用される言語の1位となってきています。

それでは、一般企業もjQueryを止めて、今流行りのReactなどのライブラリーの使用へ乗り換えるべきでしょうか?もちろん、仮想DOMが利用できるなどReactのメリットは多いですが、単純にパフォーマンスがいいとか、機能が豊富だからといって現行のWebページを作り直すことは、必ずしも良い点ばかりとは限りません。
JavaScriptには、React.js以外にも、AngularJSや、Vue.jsなどかなり評判のよいライブラリやフレームワークが多数存在します。jQueryも多くのユーザに支持されているだけあって、豊富で便利な機能がたくさんあります。乗り換えるのは面倒でも、新規Webページからは、Reactを使用するという考えもありますが、運用面を考慮すれば、メンテしながら使用を継続するためには両方の知識を持った人が必要になります。
そして、気になるのがWordpressのプラグインと同じ問題で、関連するソフトウェアモジュールをバージョンアップすると、他のモジュールが対応していないため動かなくリスクを避けるため、常にビルドの管理が必要になることです。これらは、Webアプリでサービスを行っているようなケースには、最新技術で機能拡張していくためには当たり前に必要なことですが、情報発信がメインの企業のWebサイトにとっては、できれば管理負荷は避けたいところです。たとえば、Pythonで作成されたWeb APIであっても、jQueryによる非同期処理で呼び出すことができるため、わざわざNode.jsを導入して、JavaScriptでサーバ側のWeb APIを作成しなければならないという必要性はありません。つまり、企業でWeb開発を行う場合、そのWebページの用途や目的、企業規模などを考慮してどんな手法を使うかを判断する必要があります。
ホームページのアクセスを増やすためにも、Web開発には、UIやUXが大切です。これらは、Webデザインをどうするかに依存しますが、ページ訪問者の利便性を考えた上で、ワンページでクリックや入力した内容に応じて表示する情報を変更するWebページにしたいために、Reactを選択するケースもあるでしょう。一方、後任の担当がメンテナンスしやすいように、誰でも分かり易いjQueryで今後も作成していくという選択肢もあるでしょう。

新しい技術はどんどん進化しており、今後もいろいろな種類の優れたプラットフォームやライブラリーが流行ってくるでしょう。その際には、なぜ、流行っているかを見極め、最新技術の情報も常に取り入れ、その上で自社にとってベストな開発手法を選択肢ながら、Web開発を継続していくことが重要となります。


Web開発手法にも、トレンド情報の入手と分析が重要


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