統合ログ管理のためのスキル


企業や組織において、IT機器やソフトウェアについて管理すべきログは多岐に渡ります。そして、取得したログに対して、それぞれの専門家でないかぎり、特定のログを理解して活用することは簡単ではありません。

とはいえ、情報システムにとって、ログ管理は、トラブル対応時のみならず、システムのヘルスチェックや、キャパシティプランニングなどに必要で、やらなくて済むものではありません。
そうなると、一元的に集中して管理できる仕組みが望まれ、だからこそ統合ログ管理が求められています。
統合ログ管理システムは、単に取得したあらゆるログを一ヵ所にまとめればよいというものではありません。OSや、アプリケーションの種類によっても、取得しているログの内容も、順番も、ファイル形式もバラバラであるため、できればフォーマットを統一したいのですが、その変換に際してもその対象ログについての知識やノウハウが必要です。
そうなると、統合ログ管理システムとして、すでにパッケージソフトとして製品化してあるものを購入すればよいかと思われますが、あくまでも、ツールは目的達成のための道具なので、それを導入しただけでは期待するログの一元管理が実現できるわけではないです。ツールを使って効率化はできますが、ログ管理システムをその企業や組織の環境に合わせて、システム構築する必要があります。

システム担当者が、ツールを使ってでも自社のさまざまなログの特質を踏まえ、最適な統合ログ管理システムを構築することができれば、各分野についての知見も増え、社内に知識が残り、いざという時の対処も迅速に行えます。
一方、SIerなどに丸投げしてしまっては、統合ログ管理システムは導入できたとしても、トラブル対応も外部に委託しないと、自社内の担当者だけでは解決できないような状況になりかねません。

とはいえ、ログ管理のノウハウは経験に基づく部分が多く、誰もが簡単に構築できるわけでもありません。
そうなると、理想的なのは、自社内の担当者が主体性を持ってシステム構築を進め、外部のノウハウのあるリソースに頼って導入支援してもらう方法となります。
このケースであれば、社内にノウハウが溜まり、その運用も自社内で行えるため、インシデントに対するログ解析や、対応策の選定なども迅速に行えます。 これは、コスト面においても、全てを丸投げして外部委託するより軽減できる可能性が高く、また、外部の委託先に依存しないため、将来のシステム拡張時においても構築方法の選択肢が広がります。

統合ログ管理システム構築の需要は多いのですが、通常は特定環境向けのログ管理ツールのベンダーが多いため、得意分野が分かれてしまい、統合ログ管理のノウハウを持ったベンダーが少ないことも事実です。
また、この分野は、技術力というよりどのログに対して経験があるかとう 実績の方が必要であるため、構築支援を依頼するサービスプロバイダーを見極めることも、最適な統合ログ管理システムが構築できるかどうかの鍵となります。


統合ログ管理システムは、自社で主体的構築できるかが重要


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