テレワーク中の勤怠と取得すべきログ


テレワークでの労務管理方法を検討する際に課題となるのが、就業状況の把握をどのように行うかです。たとえば、出勤簿の管理についても、テレワークでは、出社時に記録するタイムカードに代わる仕組みが必要です。

それであれば、会社貸与のPCのログオン、ログオフのログを取得すればよいのではと考えてしまいますが、それだけでは、本当にその人が仕事をしていたのかどうかを特定できません。
とはいえ、常に内蔵カメラやマイクをオンにしてリモート監視するような仕組みでは、プライバシー侵害にもなりかねないので、やはりメールやチャット等を利用するか、自身で勤務開始と終了を打刻するような勤怠管理のソフトを利用して自己申告をベースに勤怠管理を行う会社が多いようです。
勤怠を自己申告をベースにすることによって、管理されているとういう受け身ではなく、本人に主体性を持たせることは必要なことですが、テレワークでの勤怠管理の難しさは、不真面目な人ばかりでなく、むしろ真剣に仕事に取り組んでいる人に多いようです。
真面目なゆえに、休憩時間も取らずオーバーワークになっている人や、責任感があるから残業を少なく申告してサービス残業をしてしまっている人などが、意外と多いことが問題視されています。
こうした傾向を抑止し、実稼働の状況を把握するためにも、PCの操作ログを取得し活用することが有効です。

PCの操作ログを取得すれば、どの時間にどの程度マウスやキーボード操作を行っていたかが分かるので、それを集計するツールなどを活用すれば、自身で働きすぎだったのか、サボっていたのかが一目瞭然となります。
テレワーク従事者自身が、操作ログの集計結果に基づき、勤務時間の自己申告をするようになれば、主体性は保ったまま自己管理ができ、集計したデータがエビデンスとなります。
この時、勤怠管理の目的でどこまでの操作ログを取得し管理すべきかということは、コンプライアンスやセキュリティからの視点も考慮に入れることが重要です。たとえ、マウスやキーボード操作を使用していた時間帯をグラフ化できたとしても、その時間帯にどのような操作をしたのか詳細ログがなければ、本当に業務に専念していたかどうかが分かりません。
実は、YouTubeを別ウインドウで見ながら仕事をしていたとか、調べ物をしているふりをして業務に関係ない趣味のネットサーフィンしてる場合などが、充分に想定できます。こうしたケースでは職務怠慢だけの問題ではなく、業務外のことを会社のPCで行われると、マルウェアの感染や情報漏洩のリスクも増大してしまいます。

こうしたことを考慮すると、取得すべき操作ログは多いに越したことが無いようように思えますが、ログは多すぎるとリソースや分析に負荷がかかります。むしろ分析のし易さもポイントとなるため、怪しいと思われる時間帯について、どんな操作をしていたのかを調べるためには、画面操作の録画があると便利です。どんなサイトにアクセスしていたのか、その時やるべき仕事が行われていたのかどうかなども一目瞭然です。ログ分析ツールと連動したシステムであれば、その時入力した文字列や、どんなアプリを使っていたのかなども分かります。

近年、ログ管理ツールの中にはオプション的に勤怠管理と連動できるものも増え、選択肢は多くなりました。企業としては、テレワーク従事者にあまり負担にならない形で、ルールに合わせた業務が遂行できるように勤怠管理が行える仕組みをつくることがポイントとなります。


操作ログから分析し易い勤怠状況把握の仕組みが必要


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