AIの企業ユースのメリットとデメリット


AI 搭載のサービスが明らかに増えてきました。ニュースサイトや検索サイトはもちろん、描画や音楽制作などさまざまな分野で AI が活躍し始めています。

AI チャットボットの「ChatGPT」の使用を業務で認めてない企業もあるようですが、たとえば、大人気のグラフィックデザイン プラットフォーム の「Canva」が最近搭載してきたテキスト生成ツール「Magic Write」は、ChatGPTと同様に、オープンソースのGPT-3アルゴリズムを使用して、さまざまな文章を作成できるようになっています。Canvaは、多くのことがネット上で無料で使えるので、デザイナーのみならず、社内資料の作成などに活用している従業人も多いはずです。
このように、特定の AI の使用を禁止したところで、機能や利便性を向上させる目的で既に使用しているアプリケーションやサービスに後から AI が搭載されてくるケースが今後も増える一方であるため、企業側でリスク回避のために特定の AI ツールの使用を禁止するという動きは到底無理があるでしょう。

以前であれば、企業では高学歴な頭の良い人が高賃金でもてはやされましたが、今後は AI の賢さには敵わないので記憶できる能力よりも、最新の情報に詳しく新たに出てくる AI ツールを早く取り入れ使いこなせるかという器用さが採用すべき人材に求められる世の中になっていくでしょう。 AI リテラシーの高さが採用基準に組み込まれるかもしれません。
過去には、 AI やロボットの自動化によって人の作業が代替されても、クリエイティブな仕事ができる人が生き残ると言われてきました。たしかにそうかもしれませんが、その実態は企業は AI こそ創造性豊かなな分野に活用したがるため、クリエィティブな文章や画像が AI で簡単にできてしまうと、結局はそういったツールを素早く使いこなせる人だけが残ることになるかもしれません。というのも、たとえば新規プロジェクトやDXでの開発において、独創的と言われる仕事ができる人物がいたとしても、それはその人が過去の知識をもとにアイデアを出しているのであって、それを比較すれば、 AI の方が圧倒的に基にしている知識ベースの量は多いです。
つまり、企業は AI のリスクを恐れるあまりその使用を避けるより、リスクを受容するリスク対策に方向性の舵をきり、率先して AI 技術を活用する環境にシフトすべきでしょう。

そうなると、 AI を企業内で業務使用することのデメリットは何があるでしょうか?
リスクとしては、 AI で作成する公開したい資料が著作権侵害する恐れですが、これについては、 AI が作らなくても、誰が作成しても意図せず似通った画像や文章を作成してしまう可能性は否定できず、むしろ AI の方が少しでもリスクを減らす仕様になっているため安心度は高いかもしれません。ただ、逆に AI で作成したものが今後著作権を主張できるのかの方が問題になるでしょう。
想定できるデメリットととしては、ライバル会社も同じツールを使っていれば、同様レベルの制作物しか生産出来ず他社との差別化ができないのではないかという懸念があります。しかしながら、これも AI ツール以外でも言えることで、どのようにツールやサービスを使いこなすかは、人に依存して成果物が変わってきます。そして、使わないより圧倒的に時短になり効率的で高品質のものが作成できます。現時点では、 AI が作成したものをまだ手直しせずそのまま使用するには無理があるため、あくまでも手助けやヒントをくれるツールとしてどのようにどこまで使いこなせるかが重要なカギとなってくるでしょう。

なにはともあれ、近年の AI 技術の進化には目を見張るものがあり、毛嫌いするよりはまずは触れて使ってみて、どうやって利用してやろうかと企業内でも積極的に取り込んでいく姿勢が大切になっていくでしょう。


AI は、積極的な活用をしてリスクを見極める


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